幸せすぎて、くだらない。

私の、生きる教祖様。

おててつないで

昔から、日本人はこのように歌ってきた。
『おててつないでみな帰ろ。カラスと一緒に帰りましょ*1
小学生が夕焼けをバックにしてみんなで仲良く家路をたどる絵が思い浮かぶ。


しかし最近では、変わった「おててをつなぐ」があるらしい。小学生の運動会の定番種目かけっこにおいておててをつなぐようだ。順位を決めるなんて、つまり優劣を見せつけるなんてかわいそう。それならみんなで仲良く一緒にゴールテープを切りましょうとのことだ。なんて世だ。これだからゆとりは…とか言われるのだろうか、なんて言いたいところだが、私はドンピシャのゆとり最終世代なのだからこのように揶揄するのはやめよう。私が小学生のときは、事前に50m走のタイムを全員分とり、先生方がバランスを見ながら一緒に走るメンバーを決めていた。おかげで誰か一人だけが極端に遅くゴールし周りの人間から馬鹿にされるということはなかった。遅い子でも遅い子なりに懸命に走っていたのだ。小学校5年間かけっこでビリを取り続けた男の子が、最終学年である6年生のとき、2位に大差をつけてゴールテープを切ったときのあの満面の笑みを私は忘れない。喜びのあまり彼は両手を高く掲げ、ダブルピースでゴールインしたのだ。彼の勇姿はしばらくクラスのネタになった。今どきの、といっても一部の学校のみであるのだろうが、そのような誰もが笑顔になれる話題がつくられないのかと思うと寂しさを感じる。かけっこおててつないでみんなで仲良くゴールに対して意見する人は少なくないし、私もその立場にある。


そう。私は「おててつないで」に首をかしげているはずなのだ。しかし私が「おててつないで」を求めてしまう場所がある。それはジャニーズジュニアだ。昨日、ジャニーズ銀座2016通称クリエの当落が発表された。私が応援する玄樹くんが所属するPrince公演に追加公演が決まり、喜ばしいばかりだった。そして、それと同時にひとつのユニットがさらっと発表された。その名もLove-tune。いままでさなじぃバンドと言われていた4人組に名前がついたのだ。メンバーの中に初めてユニットをもらったメンバーもいれば、すでに別ユニットに属しておりこれを機に掛け持ちがはじまったメンバーもいる。特に最年長にして初ユニットである安井くんのファンはTLで本当に喜んでいた。おめでとうと本当に心の底から喜んでいるようだった。私も喜ばしいと思った。しかしそれと同時にもやもやが生まれた。


クリエ発表時から思っていたことだが、今年のクリエにはShockメンバーがいない。昨年は出演していたのだからおそらくスケジュール的には不可能なわけではないはずだ。しかし繰り返すが今年はShockメンバーは出演しない。のんさなはもう過去のものとなってしまったのだろうか。モロだって美勇人たちと一緒にやっていたではないか。まつくだって昨年は出ていた。まつくが出ないからげんげんも出ないの?かたや名前があってかたや無所。近ごろ面白いくらいに生まれるユニット。だからこそそれなりの年齢である無所組に対して不安を抱いてしまう。もちろんClassmate J、天才genius、そしてLove-tune。気づけば生まれていたからこそ逆に言えばいつまでこのユニットが存続するのかは分からない。クリエ期間のみの名称かもしれないし長期化するユニットするかもしれないし、はたまたデビューするかもしれない。ただひとつ言えることは、ユニットがあるというだけでファンはなぜか安心する。言ってしまえば、私の自担は玄樹くんなのだから、そんなのほっとけ案件かもしれない*2。それに他メンにユニットが出来たからと言ってそれを羨むのではなく恨むだなんて御門違いも甚だしい。


私はジュニアを応援し始めてまだ歴は浅い。そのためか、いま活躍しているジュニア達全員がデビューできることを夢見てしまう。しかし、嵐目当てで買った昔のアイドル誌を見てみても知らないジュニアが大半だ。デビューできるジュニアなど、ほんのひと握りでしかないのだ。もちろんデビューがゴールではないし、デビューしなくとも活躍するジュニアだっている。グループが多すぎてデビュー組すら苦心する時代。デビューした人間でも辞めると宣言するいま。それでも、それでもデビューを願ってしまうのは安心したいからなのかファンのエゴなのか。彼らが歌って踊る姿をいつまでも見ていたい。ジャニショから写真がなくなる瞬間を目の当たりにしたくない。どうにかひとりでも多くのジュニアが日の目を見ないかと望んでしまうが、あくまでこれはビジネスなのだ。慈善活動なんかじゃない。彼らは競争社会を生きている。「おててつないで」なんて悠長なことは言ってられない。もちろんあの4人のパフォーマンスはとてつもなくかっこいい。風 isのパリマニやFOREVERとTake overのリミックスは画面に食い入るように見ていた。本当におめでとうございます。オーラスも飾る彼ら。本人たちの気合もファンの期待も最高潮に高まっているのではないでしょうか。しかし、このフレーズが頭をよぎる。『こんなとこで終われない。なにがあっても。*3

*1:『夕焼小焼』1923年発表。作詞中村雨紅、作曲草川信

*2:彼らも彼らでユニット問題は深まるばかり

*3:いまや名前を出すことすら許されないような昨夏大活躍したユニットの曲より