幸せすぎて、くだらない。

私の、生きる教祖様。

コインロッカー・ベイビーズ6/25福岡公演 自分用覚書

待ちに待った6月25日、福岡市民会館にてコインロッカー・ベイビーズを鑑賞した。舞台を見に行くのは、昨年のSHOCK以来。ジャニーズ以外の舞台で考えると、高校時代に学校行事の一つであった芸能鑑賞にて、博多座で三銃士を観た以来である。購入したパンフレットの曲目を見ながら、自分のための覚書として残してみようと思う(以下ネタバレ・・・原作がある時点でネタバレも何もないかもしれないし読む人なんていないと思うが、詳しく書くつもりではいるので、まっさらな気持ちで舞台を見たい人はどうか戻ってください)。


 初めての福岡市民会館。席は1階席1桁列。ある程度期待はして行ったが、あまりの近さに驚愕する。本当に1,2列目の人はもはや見上げるレベル。私がいた列あたりは舞台の高さとほぼ同じ高さなので、見ることに関してはとても良環境だった。もちろんに双眼鏡は必要ない(私が忘れてしまったからでもあるが)ほぼ中央の、気持ち下手寄り。私は1ブロックの右端の席だったが、同ブロックの左端の通路にふみきゅんとはっしー、ベイビーズが降りてきた。くそう・・・と思ったが、いやいやある程度距離があったほうがガン見出来るではないかと思い直した(ええ、負け惜しんでなんていませんもの)。


 そもそも、本作品をなぜ観に行こうとしたかと言えば、もちろんふみきゅんはっしー、そしてさなびーに興味があったからだ。それっぽいことを言うと、村上春樹がコインロッカーベイビーズ読了後、自分もこのような作品が書きたいと思い専業作家になったと知り、さらに興味がわいたのだ・・・言い訳はやめましょう素直にふみきゅんたちが見たかったのだ。当初、本舞台は東京公演のみだった。そのため、図書館で作品を借りて読み、ストーリーにうっとりし、こんなスケールの作品をどう2時間でまとめるのかそもそも映画でなく舞台になりうるのか、様々な思いを抱いた。すると、追加キャストさなぴーの発表。地方民は東京なんて行けないよ・・・と嘆いていたら、福岡広島大阪公園の追加発表。メールで知ったとき、思わず声が出てしまった。そこから申し込み、メール会員だったので封筒が着くまでやきもきしていた。土曜公演のみしか申し込んでいなかったが、無事に青い封筒が届き、いまパソコンに向かってカタカタと文字を打てる状況にいるわけだ。完結に感想を述べると、常に体内で体内をぐじゃぐじゃに引っかき回され、どろどろに溶かされる作品。しかし嫌悪感はなく、常に気持ちよくなる物も同時に投入される(我ながらアブナイ表現)のか、ニヤニヤが止まらない。自分が受け止められる容量を常に2割ほどオーバーした量の名状しがたい感情が常に体内で暴れまくっている、そんな気分。恍惚とさせてくれる中毒性の高い作品だったように感じる。出演者も言うように、かなり過激な舞台だが、また観たい、本当にそう思わせる作品。


  最初に大まかにざっと言うと、キクが歌ったとき、あまりに優しく綺麗な歌声に頭がついていかなかった。あれ、ふみきゅんそんな歌い方だっけ。突如流れる「かわい~はかわいいか~い」とは似ても似つかない歌い方。発声が違うの?ハシはわりとはっしーの声だったのに。にしても2人とも音を外さない*1。最後までキクの歌声にびっくりさせられる。あと、みんな滑舌がいい。聞いてて気持ちいい。さなぴーはわりと早口の台詞が多いが、変で雑な発音がなく、はきはきと声を出した上で演技をする。舞台では当たり前かもしれないが、なんせ普段見に行かずもっぱらドラマ映画しか見ないので感激した。滑舌は本当に大事。正直、ハシがはっしーなんてネタなの?と思ったときもあったが、気が弱くいつもキクの後ろに隠れるハシ、次第に悲しいくらい壊れ狂っていくハシを見事に演じたはっしー。最年少でえびちゃんずーですぐイラっとしちゃうはっしー。そんな印象が少し変わった気がする。また、さなぴーの狂い分けがしっかりされている。もちろん5役の人柄は違えど、同一人物に見えることはなく、まああそこまで気持ち悪く演じるものだな、と。演技派Jr.と言う呼び名も納得。はしふみさなぴーの演技は初めて見たが、もっと3人にお芝居のお仕事がくればいいのに!と思ってしまうくらい、3人とも素敵だった。


 それでは、本題へ。ステージは3×4かな・・・白い骨枠。下段中央が前後スライド式。中断中央からステージに降りるときは、袖から階段が出てくる。バックはその階段以外は変わらないかな。その枠組みは背中?後ろはスケルトン。上手下段あたりに誰かいると思えば、バンドメンバー。生演奏だった。ドラムの動きくらいは私の位置からでも少しは見える。そわそわしていたら気づけば始まった。まさかのさなぴー!役その1駅員。表情も感情も無な駅員。だがこれはコインロッカーベイビーズ。その無がかえって不気味。「あっコインロッカーが開いてる・・・」で暗転し、

1.『コインロッカー・ベイビーズ
枠組み下段から上半身黒メッシュ、おむつを履いた男性、その後に女性が出てくる。彼らはコインロッカーに捨てられた新生児。ママが捨てたママが捨てた・・・でも本当に捨てたのは神だ!(うろ覚え)といった歌。ハシキクは上裸に白パンツ。神が捨てた、のセリフとおもに親指を突き立てて首の前で横に動かし、そのまま手を下に振り下ろす。何度かその動作が見られて、非常に挑発的な歌。淫靡で退廃的なオープニングと聞いていたので、このことをそう言うのか・・・とぼんやり考えていた。


2.『運転手』3.『血濡れの運転手』
芋洗坂係長演じる役柄の一つである、ひたすらにしゃべり続けるタクシー運転手とアネモネ。枠組み中央がスライドする。プチプチかな?ぐるぐる巻きでまるで小包のようなガリバー登場。金が要りますね・・・近くに闇賭博をしている友達がいるからちょっと殺してきます・・・。人間ってあっけない。柔らかいんですねゼリーみたい!と言う運転手。いやー、運転手の話に何の反応も示さなかったが、人を殺して真っ赤なナイフを持った運転手に「あんた臭いのよ!!!」と言えるアネモネ。冒頭からこのちぐはぐさ。そりゃ逆上するわたまたま通りかかったキクが鉄パイプで運転手を殴り、一件落着(?)。少クラで「オレ1回も笑わないから。ずっと怒ってる。」と言ったとおり、前髪上げ気味でしかめっ面。何もかもが気に入らないといった顔。


曲名見ても記憶とリンクしないので、ととんと。
和代とハシキクがデパート屋上の遊園地に行くシーン。ハシキクが風変わりな格好をしているぞ・・・と思ったらまさかのブレザー!まさか、まさかあの2人のブレザー姿が見られるなんて夢にも思わなかった。ハシはきちんと着ているが、キクはシャツの胸元は開いてるし裾は出てる。2人はオムライスがお好き。ハシはイベントステージで催眠術を受ける。精神病を患ったことは?と聞かれ、おはようと返すくらいに軽く「ないよ」と答えるハシ。そうなんだ知らないだけで実は精神治療を受けている・・・。ここで事態が急変する。催眠術を受けているのはハシだが、キクの顔が次第に歪んでいく。跪いて頭を抱える。(恐らく原作通りの)催眠が暴走し、うわあああああああと叫ぶキク。壊れるハシ。そうなんだよ、2人は治療を受けたことも自分が変わったことも知らない。だって変わったのは世界の方なのだから。


治療は、卵みたいなケースの中で三角座りをする少年2人。ドッドクと鳴る心臓音。ここで精神科医が治療目的方法などをつらつら話すが、彼女が手にする携帯電話はガラケー。あとでアネモネの通話シーンでもガラケー。1980年代辺りの設定に法っているのだろうか。ただ、ガラケーだとかっこよくパチンと閉じて、場に緊張感を与えるという効果も持つ。彼女もパチンと閉じて、したり顔で言っていた(内容は忘れた)。


曲名見てもパッと出てこない。まだ数時間前の話なのに。

棒高跳びの要領で鉄条網を越えるシーン。階段を力強く上り、枠組み中断から飛び降りる。その姿に歓喜するアネモネ。このあと何回も言うが、終始アネモネがかわいい。

アネモネ「私はビルが好き!高いビルが好き!」
 東京はいずれ沈むからビルが必要らしい。


12.『オシャレせなあかん』
ハシが倒立して、Dのボディーガードに脱がされパンツ一丁になる。それから、オシャレをしなければ、脱がされるためにもオシャレをせなと歌うD。二ヴァがハンガーラックにある複数の服からハシにあててあれでもないこれでもないと選ぶ。これじゃないわと投げ捨てられたストールを一生懸命キャッチしようとするボディーガードがかわいらしかった。


13.『ワニの国』 
本作品で最も好きな歌。アネモネがひたすらにかわいい!!!!!「あたしワニの国の使者よ」と歌うアネモネ。ワニの国はどこだ。舌の奥の柔らかいところ!舌?顎?を掴んで口奥を見るキク。いやいや、キクはいたって真面目なんだろうが滑稽な姿。キクに抱きついたりふふって笑ったり(例えはよろしくないかもしれないが、ハリポタのベラトリックスみたいな・・・。他にいい例があれば変えたいと思う)、自由奔放なアネモネ。黄色いポップコーンらしき袋を片手に、そんなアネモネを眺めるキク。そして「L・O・V・E!ア・ネ・モ・ネ!!」のオタ芸。サイリウムを片手に1本ずつ持ち、冒頭で登場したベイビーズたちの格好をした集団がキレキレのオタ芸を披露。初めてオタ芸生で見た・・・。終了後カーテンコールでシルビアさんが少しオタ芸をするのだが、そのときの楽しげな表情と、キレイに踊るオタ芸。あれは動きはオタ芸だったけど溢れ出るオーラは優雅だった。オタ芸に変わりはないのだが。


何の曲かは分からないけれど、噂に聞いていたハシとニヴァ、キクとアネモネのキスシーン。もうキクとアネモネは楽しそう、というよりアネモネに振り回されている。キクがアネモネに馬乗りになって、まあ言葉通り脱がしにかかるのだけど、アネモネはびっくりして拒否する逃げる。そのうち、逃げることを楽しみ始める。ほとんど怒った表情しか見せないキクだが、アネモネといるときはわりと緩んでいる。それでも笑ってはいないし、仮に笑ったとしてもニヤつく程度で歯は見せない。いやー。でも楽しそうなんだ本当に。1段上がってキスして、キスされた方がまた1段上がってキスして・・・の繰り返し。んもう、楽しい!(ハシはごめん・・・ふみきゅんばっかり見てた)(アネモネ役の昆夏美さんは私と同じ身長。だから?そこは察してくださいつまりキクとの身長差も同じなのよ・・・)私の3列前のお姉さまがすかさず双眼鏡を取り出す。どなた見てらっしゃるのかしらと思ったらキクだった。見事ロックオンされるお姉さま。さすがです。


14.『拳銃はどこだ』
微笑ましいほどだったが、Dの思惑により拳銃を渇望するキク。その恐怖に耐え切れず、せっかく隠していたのに渡してしまうアネモネ。テレビ中継のリポーターをするさなぴー。イヤミの塊。自分がいかに注目されるかを考えてるし、自分以外にスポットライトが当たるところはつまらなさげ、どうでもよさげな表情。キクが持ってる拳銃はあなたが渡したんでしょうが!記憶にはないでしょうが!あれがキクのお母さんだよ!僕のお母さんはもう死んじゃったんだ!!なんて突然で残酷な事実。母親にあったら俺は母親を殺すけど、あいつは自分を殺すから、とハシを助けに行ったのに。で、きちんと斜め上に向けた状態で撃っちゃうわけだ。


ここで20分の休憩。
あたしワニの国の使者よ♪が頭の中でぐるぐるしてる。


16.『裁判』
裁判におけるレポーターはさなぴーではない。うって変わって生気のないキク。必死なアネモネの声にも、アネモネを見はするが反応を示さない。


17.『殺してあげる』
うん、アネモネが好きなんだ。あんたが死んでるみたいに生きてるなら、いっそあたしが殺してやるわと力強く歌う。さすがアネモネ思考。きっと昆さんにとってはギリギリのキーの音があるけど、ファルセットでなく歌いきる。ほんのわずか感じられる歌いにくさ苦しさと、アネモネの気持ちがリンクしているのでは。いやー、アネモネの服装がまたカラフルで奇抜。服装も含めて好き。


やっぱり曲名と内容がリンクしないので、またもやととんと。

・あれだけ魅惑的異質だの言われたハシの歌がバンドメンバーと共に明らかになる・・・って一幕でも歌ったか。ねっとりしているがまとわりつきはせず、でも聞いていたい。きっとハシのつくる歌は作りにくいが手を抜ける箇所でもなく、こういうところが3D化したときに大変なんだと思った。

・二幕はどんどんハシが壊れていく。舌を5mm切るシーンはどうするのかと思ったら、正座しながら舌を突き出して怯えながら笑うハシ。覚悟を決めて俯く。ニヴァが優しく、どうしたの?と問い、ハシが顔を上げると口の周りが血だらけ。驚いたニヴァが駆け寄り暗転。

・目がうつろってこういうことを言うのかしら。ハシの目がどんどん狂っていく(目の開き方、黒目の位置が肉眼で分かるくらい、舞台が近かった)。一幕ではシャツの裾を掴んでいたり、弱々しいハシ、引っ込み思案なハシだったが、拍車がかかるように壊れていく。蠅を食べて、ある残酷な事実に気づく(思い込む)ハシは、キクのもとへ面会に行く。どこぞの嫌味な金持ちだよというくらい蛍光イエローでフサフサのジャケットを羽織るハシ。音の在り処が分かったこと、愛する者を殺さなければならないこと、ニヴァのお腹には赤ちゃんがいるから2回も音が聞けること。これらを言うときのハシは声が上ずっていて、かつ人を殺す雰囲気ではなかった。やりたくないけどやらなくちゃ。狂った使命感に駆られている。ずっと探していた音をキクにも教えてあげようとする。去り際の一言(ありがとう、キクだっけ。覚えていないぞ…)が、低く地に足付いた声だった。一気に正常に戻る…けど、ハシの正常が気弱でキクの後ろに隠れる姿なら、そのハシはハシじゃなかった。それが余計に怖くて悲しくて、キクと観客に絶望を与える。
アネモネの歌声は若くて快活。一方にニヴァは、行動も歌い方も落ち着いている。落ち着きながらも、この子は死なないわコインロッカーで生まれた人の子よ?と歌い上げる姿は、凛としていてさすがニヴァだった。ニヴァを刺した途端、いままで聞こえていた心臓音がピタリと止まる。それに混乱するハシ。そうなんだよ愛する者を殺したから聞こえる音ではないんだよ。

・死んだと聞かされていたのに、生みの親と再会したハシ。騙されていたと気づき、母親の首を絞めるが、もう僕は殺さないよと穏やかに言う。

ROLLYさんの生ギター演奏!照明は赤。真っ赤。ドギツイ赤。ギュインギュイン鳴らすギター。かっこよかったけれど、もっと尺があってほしかった。あくまでこれはDでありお芝居であるから、見たければライブへ足を運べという次第。

・さなぴー、ダイバーとしてダチュラの説明をする。本作品脱いでばっかり。カラギ島で起こった3つの事件をつらつら説明する長台詞。

・続いてさなぴー、山根。囚人として出るだろう演じるなら山根かなと思っていたが、これまた変わった役。髪の毛ボサボサです、す、すごく言葉がつま、ま、つまってる。ヘラヘラして頭痛に苦しんで人殴っちゃうからね。

・気づけばダチュラをゲットしていたキク。海に潜る必要があるからカットされるのは仕方ないが、あっさりしていて少し残念。


33.『心拍』
オープニングと同じ、上裸に白パンツ。心なしか照明も白く明るい。ハシはまともになったの?とか、キク東京破壊するの?など疑問はさておいて、ああこれで終わるんだろうなと寂しさがある。キクとアネモネは手をつないでいる。「音が消えた~」ハシもキクもいろいろあったけど、とても澄んだ声。


カーテンコール
さなぴーばかり見ていたが、さなぴーが終始かわいいお茶目。手をくるくるさせたり、音楽にノったり。たくさん役は出てくるが、改めて見るとキャストの数はそんなに多くない。ハシキクアネモネDニヴァ以外は全員掛け持ち。早着替えにメイクに、きっと後ろはてんやわんやだったんだろう一瞬ハシのマイクが入るのが遅れて、1,2音ほど地声が響いていたが、目立ったトラブルはそれくらいだった。はっしー「福岡2日間ありがとうございました。残る公演もこのメンバーで駆け抜けます(大意)」と挨拶。全員が捌けたあと、最後にはっしーとふみきゅんが「これが俺たちの、コインロッカー・ベイビーズだ!!」と言って去る。バンドによるエンドロールにて終了。



後半は翌日書いたこと、疲れたこと、情報量多すぎて処理できなかったこと・・・理由いろいろつけるが、なんと雑な雑な文章!でもこれで、いろんな方のブログが読めるのは本当に嬉しい。うろ覚え、感想なし、役立たずなレポもどきだが、まあもう完全自己満の世界。小説を読んで、私の頭の中がダチュラでいっぱいになるくらいだった。そのため、ダチュラがどう描かれるか期待して行ったので、あまり深く触れられなかったのは寂しかった。キク側の話だから仕方ないか。そこはさなぴーの早口長台詞まわしで救済されたかしら。


舞台を見ながら、ジャニーズって大変だな・・・と思ったことはまた次回。にしても、静止画の帝王って動いてもかっこいいじゃん!顔を歪ませて感情を露わにするキクかっこよかった!!

*1:パンフのふみきゅんのページに、そのことで監督から言及されたと記述がある